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宿泊業の離職率・人材不足を解消しよう!原因から対策まで解説

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国内外から観光客が増加し、観光業界が盛り上がっている昨今、人材不足に悩んでいる方も多いでしょう。人材不足で繁忙期に対応できていなかったり、外国人観光客向けに多言語に対応できるスタッフを確保できていなかったりするホテルは少なくありません。

今回は、人材獲得や離職率の高さに悩んでいるホテルオーナーに向けて、効果的な対策方法を解説します。

ホテルが人材不足に陥っている理由

フロントのイメージ

まずは、宿泊業界が人材不足に陥ってしまう理由を見ていきましょう。

離職率が高い

実は、ホテルのような宿泊施設で働くことに憧れている人は多く、入職率(労働人口のうち、ある一定の期間に新たに入職した人の割合)は高いということをご存知ですか。

令和4年の雇用動向調査結果によると、宿泊業、飲食サービス業の入職率は34.6%と、全産業の中で最も高い結果でした。入職者数の増加幅も最も大きく、このデータだけ見ると、宿泊業界には多くの人材が集まっている、と言えます。

しかし、一方で離職率(労働人口のうち、ある一定の期間に新たに離職した人の割合)も高いのが難点です。同調査結果によると、離職率は26.8%であり、こちらも最も高い水準となっています。

つまり、宿泊業界では人材を集めることはできているものの、離職してしまう人材が多く、結果として人材不足が慢性化してしまっているのです。

参考:厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要」

宿泊者数が増加している

宿泊者数が増加しているのも見逃せないポイントです。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、新型コロナウイルスが流行する前の2015年~2019年の5年間で、年間宿泊者数は9,000万人増加しました。特に、外国人宿泊者数の増加数は4,500万人と、顕著に増加しています。

また、2023年6月時点で、延べ宿泊者数は4,533万人でした。2019年同月と比べると若干少ないものの、コロナ以前の水準に戻ってきていることがわかります。

このように、宿泊者数が増加している現在、急増する宿泊需要に対応できる人材が揃っていないホテルは少なくありません。

参考:観光庁「宿泊旅行統計調査」

宿泊業界で離職率が高い原因

スーツケース
いくら人材確保に注力しても、離職率を低下させる取り組みを行わなければ、人材不足問題は解消しません。人材を定着させるためには、離職率が高い理由について理解する必要があります。
ここでは、離職率が高い理由について解説します。

給料が安い

宿泊業界では、賃金が安い傾向にあります。求人ボックスによると、ホテルスタッフの正社員の平均年収は353万円、旅館では約376万円です。

日本人の平均給与は、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、443万円です。日本人全体の平均給与と比較すると、宿泊業界の給料があまり高くないことがわかるでしょう。

参考:求人ボックス「ホテルスタッフの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」

参考:求人ボックス「旅館の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」

参考:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

勤務が不規則で労働時間が長くなりやすい

宿泊施設は、基本的に24時間365日稼働しています。一般企業のように、土日は休み、9:00〜17:00勤務が基本、という働き方はできません。勤務時間はシフトによって異なり、夜勤が続くこともあれば、土日に勤務しなければならないこともあるでしょう。カレンダーどおりに休みたい方にとって、勤務が不規則というのは難点と言えます。

また、日中のフロント業務や夜間の宿泊客対応、朝ご飯の準備など、1日を通してやるべきことが多数あります。そのため、拘束時間が長くなりやすい点も見逃せません。特に、人材不足が深刻な施設では、1人の従業員にかかる負担が大きく、そのハードさゆえに離職してしまう可能性が高いです。

人材不足・離職率を改善するための対策

ホテルのフロント
「宿泊業従事者の就業意識-その特徴と課題」(田村,2019)によると、宿泊業界において就職後に感じたギャップの上位項目は、以下のとおりでした。

  • 1位:休暇が思うように取れない
  • 2位:労働時間が不規則で拘束時間が長い
  • 3位:夜勤などが多く体力・精神面できつい
  • 4位:給与が低い

ここでは、それぞれの項目に沿って、人材不足・離職率を改善するための対策を解説します。

参考:田村尚子「宿泊業従事者の就業意識-その特徴と課題」

働きやすい環境づくり

終業後に感じたギャップで1位の「休暇が思うように取れない」を改善し、宿泊業の離職率を下げるには、働きやすい環境を整えることが先決です。

できるたけシフトを固定制にして、不規則な労働状況をなくしていくことから始めるのが効果的です。また、パートやアルバイトスタッフを確保し、一人あたりの労働時間を減らすことも大切です。

ITを活用した業務効率化

2位の「労働時間が不規則で拘束時間が長い」と3位の「夜勤などが多く体力・精神面できつい」を改善していくには、業務の効率化が不可欠です。中でもフロントの離職が多く、フロントの業務効率化が急務とされています。そこでおすすめなのが、スマートチェックインシステム(セルフチェックインシステム)の活用です。

スマートチェックインシステムとは、チェックイン作業を宿泊者自ら行えるシステムのことです。本人確認をAIが行い、チェックイン手続きは宿泊者が端末を操作することで完結します。多言語に対応したシステムもあるため、外国語に堪能なスタッフを常時確保する必要がなくなります。

ほかにも、鍵の受け渡しを自動化できるスマートロックや、予約管理などのフロント業務全般を効率化できるPMS(ホテル管理システム)など、ホテル業務に役立つシステムは多数存在します。

受付業務の負担を少しでも減らし、効率化を図るのであれば、スマートチェックインなどのITシステムを活用し、業務の効率化をしましょう。

給与の改善

給与の改善や賞与額を見直すことは、離職率を下げるために有効です。今すぐ給与や賞与の見直しが難しい場合は、インセンティブ制度の導入を検討しましょう。そのためには、従業員の仕事量や成果を正しく評価するための評価制度を整備する必要があります。

従業員のがんばりを給与に正しく反映できる仕組みがあれば、業務負担が増える繁忙期でも。モチベーションの維持を期待できるでしょう。

マニュアル作成

マニュアルを作成することで、業務の見直しや効率化を図ることができます。仕事の進め方や顧客の対応が属人化していると、人によって業務にかかる時間が異なり、顧客満足度を低下させる原因にもなります。

マニュアルを作成し、それを見ればどのスタッフが担当しても一定のクオリティで業務を遂行できるようになれば、スムーズな運営が実現します。

マニュアルを作成する際に業務の見直しを行うことで、非効率な面が浮き彫りになる可能性もあります。

また、マニュアルを見ればすぐに仕事ができる状態を作れば、新人の教育コスト削減にもつながります。

まとめ

海外のホテル
いかがでしたでしょうか。ホテルなどの宿泊施設で働くことにあこがれている人は多い一方、現状として就職後のギャップを感じる人は多く、勤務環境や待遇により離職してしまうケースは少なくありません。離職を防ぎ、人材不足を止めるためにも一人一人の負担を減らすことを心掛け、働きやすい環境や、待遇を改善すること、ITの活用により業務の効率化を行うような対策を行いましょう。

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